麻酔科

ご挨拶

当科では、専門医または指導医の資格を持つ6名の常勤麻酔科医が、患者さまの安全を第一に、周術期管理を行っています。 当院の手術室は5室あり、緊急手術にも24時間対応しています。 入院前に麻酔科外来を受診して頂き、術前診察を全員の患者さまに行い、リスクを最小限にするよう努めています。 当院で手術を行う機会があれば、全力で対応させていただきます。

当院では、計画無痛分娩を行っています。

麻酔科医が産科医、助産師と協力して管理することで、安全で痛みの少ない分娩を目指しています。

診療内容

手術室における麻酔管理

私たち麻酔科医は手術室での患者さまの全身状態を安全に維持することを第一優先にしています。手術侵襲に対する痛みやストレス、血圧の変動、呼吸の変化、不整脈などから患者さまの生命をお守りしています。血圧・脈拍・呼吸状態を表示するモニターを全室に各2台完備し、中央部門で包括的に安全を監視しています。

麻酔の方法は大きく分けて①全身麻酔 ②硬膜外麻酔 ③脊髄くも膜下麻酔④神経ブロックがあります。手術に合わせて麻酔方法を決定し、1つまたは複数の麻酔方法を組み合わせて行います。

術後鎮痛

手術中の痛みの管理だけでなく、術後の痛みのコントロールも積極的に行っています。 持続硬膜外鎮痛や神経ブロック、点滴から持続的に鎮静薬を投与する方法(IV-PCA)で、痛みを積極的に和らげるように努力しています。
術後回診を行うことにより、周術期合併症の早期発見に努めています。

麻酔科外来での術前診察

平日午後と土曜午前に術前診察を行っています。

手術前後の管理を適切かつ安全に行い、リスクを最小限にするように努めています。手術の前日までに麻酔科外来にて診察を受けていただき、麻酔方法や合併症、手術前の諸注意などについてご説明します。歩行が難しい患者さまの場合は麻酔科医が病棟のお部屋へ伺い、診察・説明を行います。

診察時間(完全予約制) 平日(13:20~)
土曜(9:00~)

計画無痛分娩

当院では計画無痛分娩をおこなっています。

無痛分娩をご希望の方は事前に麻酔科診察を受けていただき、麻酔方法・管理方法・リスクについても説明を行います。

麻酔科医が産科医、助産師と協力して管理することで、安全で痛みの少ない分娩を目指しています。

長澤 実佳(ながさわ みか)

役職

部長

診療科

認定資格

日本麻酔科学会専門医 日本麻酔科学会指導医 日本老年麻酔科学会認定医 日本医師会認定産業医 日本区域麻酔学会認定医 日本区域麻酔検定試験J-RACE合格

小田 富士子(おだ ふじこ)

役職

医長

診療科

認定資格

日本麻酔科学会専門医

中島 慶子(なかしま けいこ)

役職

医師

診療科

認定資格

日本麻酔科学会認定医 日本麻酔科学会専門医 日本麻酔科学会指導医

谷川 沙織(たにがわ さおり)

役職

医師

診療科

認定資格

日本麻酔科学会専門医 日本麻酔科学会指導医 日本老年麻酔科学会認定医 日本医師会認定産業医 日本区域麻酔検定試験J-RACE合格

若菜 秀美(わかな ひでみ)

役職

医師

診療科

認定資格

日本麻酔科学会専門医 日本麻酔科学会指導医

杉 正俊(すぎ まさとし)

役職

医師(常勤嘱託)

診療科

認定資格

日本麻酔科学会専門医

午前 (術前外来)

4/6:
谷川 沙織
杉 正俊
若菜 秀美

4/13:
小田 富士子
若菜 秀美
中島 慶子

4/20:
長澤 実佳
小田 富士子
中島 慶子

4/27:
長澤 実佳
杉 正俊
谷川 沙織
午後

当院の過去3年間の手術件数の推移

手術件数グラフ

当院の過去3年間の手術件数の推移です。

2022年度の手術件数は2,430件で、そのうち麻酔科管理件数は1,661件です。

麻酔科 手術前の禁煙のお願い

厚生中央病院 麻酔科・喫煙対策委員会

喫煙が健康に悪影響を及ぼすことはよく知られていますが、特に手術に際し、禁煙は大切です。《 喫煙が手術に及ぼす影響 》についての下記の説明をお読みいただき、手術をより安全なものとするためにも、手術が決まり次第、禁煙をお願いします。

ニコチンと一酸化炭素の影響 ~狭心症や血栓症が起こりやすくなります

タバコに含まれるニコチンには、さまざまな有害作用があります。ニコチンは交感神経を緊張させるため、血管は収縮し、不整脈が出現しやすくなります。また脈拍も増え、心臓に負担がかかり、狭心症の発作が起きやすくなります。 酸素はヘモグロビンと結合して末梢組織に運ばれますが,一酸化炭素は酸素より 結合しやすいため酸素運搬が障害され、組織の酸素不足をおこします。特に心臓への酸素不足は、狭心症の発作に結びつきます。またニコチンや一酸化炭素によって血管内皮細胞が障害され、血栓ができやすくなり、脳梗塞などのリスクが増します。

呼吸器合併症 ~術後肺炎が起こりやすくなります

タバコに含まれるタールによって、肺は慢性的な炎症を起こしています。慢性炎症はやがて慢性閉塞性肺疾患(難治性で在宅酸素療法が必要となる肺気腫など)を引き起こし、術後肺炎などの危険性を増加させます。喫煙者の開腹手術において、術後に肺合併症を起こす確率は、非喫煙者の約3倍といわれています。さらに、喫煙はせき反射を弱め、手術後に肺炎になりやすくし、長期入院の原因となります。

創傷治癒への影響 ~手術の傷が治りにくくなります

傷の「治りやすさ」は組織のコラーゲン量で決まるといわれています。ニコチンによる血管収縮や酸素不足の影響でコラーゲン産生が不足します。この結果、手術の傷の治りが悪くなり、傷が開きやすくなり、再手術の可能性が高くなります。

手術決定後、すみやかに禁煙を!

喫煙と手術後の合併症は密接に関わっています。喫煙は血管系、肺合併症、創傷治癒に悪影響を及ぼします。この他、タバコを吸うと「痛みに敏感になる」ことも分かってきています。ニコチンの影響が消えるまでには約12時間、またタールの影響が消えて慢性炎症が治癒するまでに約1ヶ月かかります。 欧米では禁煙のできない患者さんの手術を延期することもあります。手術の合併症予防のため、すみやかな禁煙が不可欠です。 患者さまご自身の強い意志で禁煙をできるだけ早く実践し、手術に臨んで下さい。

禁煙期間と期待される効果

禁煙期間 期待される効果
12~24時間 血中の一酸化炭素(CO)やニコチン濃度が正常になる
2~3日 一酸化炭素ヘモグロビン減少、酸素需給の改善
1~2週間 咳や痰の減少
3~4週間 術後の創合併症の発生率低下
4~8週間 術後の呼吸器合併症の頻度低下
8~12週間 術後合併症頻度や死亡率が非喫煙者と同レベルになる

手術前、どの時点からでも禁煙を開始することは意義があります。

禁煙期間が1週間長くなるごとに術後の合併症が19%減少します。

術前4週間以上の禁煙で、より大きな効果があります。

喫煙と手術の関係

公益社団法人日本麻酔科学会 周術期禁煙啓発リーフレットより抜粋