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食生活の欧米化や高齢化に伴い動脈硬化性疾患である虚血性心疾患や脳血管性疾患(頚動脈疾患を含む)が増えていますが,下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)も急激に増加しています.しかしながら,この疾患についての知識が一般の人には浸透していないことが問題視されています.
閉塞性動脈硬化症(ASO)とは主に下肢の比較的太い血管が動脈硬化により徐々に詰まってきて血液が流れなくなる病気です.この病気の初期症状は下肢のシビレや冷感ですが,進行すると特徴的な間歇性跛行(歩行により下肢に痛みが出現し,休むと数分で痛みが改善し,再び歩けるようになる症状)がみられ,更に悪化すると下肢に潰瘍や壊死が出現し,下肢の切断も必要になる疾患です.間歇性跛行は整形外科的疾患でもみられることから,整形外科的治療で改善がみられない時にはこの疾患も考慮する必要があります.
この疾患の診断にはABI(足と腕の血圧比),CT,MRI等の検査のほかに,動脈にカテーテルを挿入して血管造影を行うこともあります.また,他の動脈硬化による基礎疾患の検索も必要になります.
治療には保存的治療(禁煙指導,薬物療法,運動療法)と,細くなった血管にバルーン付のカテーテルを挿入し,拡張してステントで支える経皮的動脈形成術や血管外科的な手術等も行うことがあります.
動脈硬化の原因としての高脂血症,高血圧,糖尿病などを持っている方,動脈硬化による虚血性心疾患,脳血管性疾患等で加療中の方で,下肢に何らかの異常を感じたときは,閉塞性動脈硬化症も考えられますので精査が必要です.
このような患者さんがいましたら,循環器内科の「閉塞性動脈硬化症(ASO)外来」に御紹介のほど宜しくお願い申し上げます.
※専門外来は原則として予約診療で行っています.
厚生中央病院 循環器内科 小野 晴稔